海賊と呼ばれた男

『 一出光の利益のために、イラン石油の輸入を 決行したのではない。

そのような ちっぽけな目的のために、50余命の乗組員の命と 日章丸を

危険に さらしたのではない。  横暴な国際石油カルテルの 支配に対抗し、

消費者に 安い石油を提供するために 輸入したまでだ。』

 

注釈 : 昭和28年いわゆる 「日章丸事件」 が起きたが、当時の日本の石油業界は

メジャー(国際石油資本)に支配され、自由を失っていた。

そのため、高価で品質の劣る石油製品を 押し付けられても 拒むことができなかった。

だが 佐三はこれに真っ向から立ち向かった。  しかし、ゆく手をメジャーが 阻みつづける。

佐三は ロサンゼルスからの輸入を 妨害されると、つぎにベネズエラなどから

輸入したが、これまた メジャーに妨害される。   

そこで 佐三は

当時イギリスと紛争中で経済的孤立を深めていた イラン石油に目をつけ

ひそかに交渉を進め 石油輸入協定を取り付けた。  

佐三は 自社タンカー「日章丸」を 極秘裏に派遣し、ホルムズ海峡を突破し多くの危険を

くぐり抜け、見事 日本に帰港。   産油国からの 原油直接取引の先駆けとなった。

 

このときの記者会見で語ったのが 上の言葉である ・・・

 

 

「海賊と呼ばれた男」  . . . 小説のタイトルとしては インパクト大ですが

出光佐三の実体は、「品性の高い侍」 ... と 言われています。

 

 

 

出光佐三の生涯 ノンフィクション →  「海賊とよばれた男」 百田 尚樹 作