馬前に 討死する覚悟

日本商工会議所の会頭、新日本製鐵会長を務めた財界の大御所

写真の永野重雄(M.33年~S.59年) の秘書を務めた 武田豊(T.3年~H.16年)は

永野に富士製鉄時代、秘書課長に抜擢された時に こう言われたという。

 

「武田君、秘書という仕事は うまくいったって誰からも褒められない。

失敗したって 誰も助けてくれない。  社員たちは 妬みを込めていうだろう。

「秘書の奴め ・・・」   「重役の奴め!」 とは 言わないんだ。

重役は 最終目標のシンボルだから その権威を傷つけようとは考えない。  

しかし、秘書は 役員ではない。

 

重役への反抗心が 往々にして秘書に向けられやすい。  だから、君は四面楚歌に陥って

袋叩きにされるかもしれない ・・・ だが、どんな場合でも

俺だけは 君の味方であることを、心に刻みつけておいてくれ。」

 

武田は 永野のこの言葉に 感激したという。

「兵を営んで 死地へ飛び込ませるのは、名将の一つの資格だ といわれるが

私はこの時、永野の馬前に 討死する覚悟を決めた。」 と述懐する ...

 

武田はその後、永野の名秘書として使え 死ぬまで二人の師弟関係は続いた。

そして 武田も新日本製鐵の社長となり 会社を背負っていく立場となった。

 

 

     ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 

本日にて、夏が一段落したような状況に なりました。

暑い夏でしたが まだまだ残暑は 続くようです ・・・

 

 

  天然ふぐ 五作荘